( 翌日の夜 幸弘のマンション )
 
 幸と弘が幸弘の3(洋室2部屋+和室)LDKのマンションに入り各洋室を独占する。

幸はベッドの有る部屋を気に入る。

「パパ!あたし、この部屋が良い!」

「そこは俺の寝室・・・」

弘はパソコンの有る部屋に居座る。

「俺はこの部屋にする!」

「そこはおれのパソコン部屋だよ!」

「子供に勉強しやすい快適な環境を与えるのは、実の親の義務だろうがよ!」

二人に和室に追いやられた幸弘。そこへ弘が幸弘の荷物をどんどん運んで来る。

「じゃまだよ、おっさん!」

いらついた幸弘は外へ飲みに出てしまう。居酒屋で一人飲みだす幸弘。

「くそっ・・・なんで俺がこんな目に合うんだよ・・・そもそも遥も何にも言わずに消え

といて、何にも言わずに産んどいて、いきなり子供を育てろは無いだろう・・・

俺の親にはなんて言おうか・・・

くそっ!なぁ、焼酎ロックお代わり!」

珍しく酔った幸弘は勢いで初めてのカラオケスナックへ入り、

ママに勧められるまま飲み続けすっかり泥酔してしまう。

家に着いた幸弘は電気を点けないまま、いつもの習慣で昨日まで自分の寝室だった幸の部

屋へ入り、幸が寝ているベッドへ倒れ込んでしまう。

「えっ!?なに?」

幸は驚いて飛び起き電気を付けるが、早くも熟睡している幸弘の寝顔を見ると安心して

電気を消し幸弘の胸に頬を寄せて眠りに就く。

「おやすみ・・・パパ・・・」