「わかったら、さっさと仕事はじめな。」
やっとおわった。
「はい。すいませんでした。」
そう言って僕は制服をもって更衣室へ行った。
少し古びたドアをあけると、中にはバイト仲間の佐野優(さの ゆう)がいた。
「あはは!また、怒られてたんだ。」
馬鹿にした感じで佐野が笑ってくる。
「別に。」
僕は、軽く受け流した。
「あっそ。玲は、顔にでやすいよな!!しょんぼりした顔になってんぞ!」
僕は、無視して佐野にわからないようロッカーの鏡で顔を確認した
確かに、そこにはしょげた顔した僕がいた。
僕は、顔を引き締めてさっさと着替えて更衣室からでていった。
僕の今日の担当はレジ打ちだった。
先輩が代わりにやっていたので声をかけて変わることにした。
「先輩、僕担当なんで代わります。」
「おう。そうか。じゃあお先。」
そう言って先輩は、更衣室にむかって歩いてった。
僕にとって先輩が帰った後の時間が一番幸せだ。
この店は僕と佐野だけしかいない。
すると、佐野が店の掃除を中断して僕の方へ来た。
「ヤバい、ちょー暇。」
佐野は毎回、客がいなくなるとこれを必ず言う。
これを合図として僕たち2人のしりとりが始まる。
「しりとり」
半分笑って佐野が言う
「りんご」
僕も笑いながら言う
「ごま」
佐野がゴリラのものまねをしながら言う
「なんで、ゴリラのものまねすんだよ!ちょーうけるわw」
「ほら!!玲!!ま!だぞま!」
「ええー!?ま??」
僕が頑張って考えてると、遠くから
「マッチ!!とかどう??」と聞こえたかと思うと奥から
小柄でほんわかした可愛らしい女の子がニコニコしながらレンタルDVDをもって出てきた。
すると佐野は
「ヤバッ」っと言って店内の掃除に戻った