そうしてライブがおわった。
お客さんが出ていったのを見送って僕たちも楽屋へ戻った。
「なんか今日、玲めっちゃかっこよかった!!」
祐樹がいう。
「な!!歌に心がめっちゃこもってた!!!」
涼もほめてくれた。
「やめろよ。お世辞なんかいらねーよ」
僕は、笑ってそういったが本当はお世辞でも嬉しかった。
「ほんとによかったよ。玲」
直は静かにそういって
「じゃ、おつかれさま」と言って帰って行った。
今日は、ホントに気持ちのいいライブだったと思いながらゆっくり支度をしていると
いつのまにか一人になっていた。
僕も帰ろうと思い立ち上がった瞬間ドアが開き涼が入ってきて
「ねえ、なんか玲のことまってる女の子がいるよ?」
不思議そうな顔でそういった。
急いで外へでると、小柄で赤いマフラーをした女の子が立っていた。
「あのー。」
と声をかけるとバっと振り向いて
「あっ!!!しりとりの人!!!!」といった
そう、あの子だった。

