俺の挨拶で
社員達のあつい視線が俺に注がれる。



…期待のルーキー参上って感じだな。



「な…なんだ君は!いきなりっ!」


小太りの素敵な加齢臭の漂う少しハゲ気味のおっさんがオフィスを通って来た。


「俺か?聞いて驚け。斉藤裕太だ!」


この名前を聞いても特に何も思わないだろう。


…言ってみたかったんだ。


「ああ…面接の子かしかし…なんだその頭は!バカにしてるのかぁ!?」


そう…俺の頭は口で説明出来ないほど素晴らしい出来だ。




幾多もの整髪料を駆使して作り上げた美の最高峰!


そう…例えるならこれは生け花!アート!
誰も俺の髪の領域に立ち入る事は許されない。



「それ何とかしなさい!」


おっさんは俺の髪の領域にずかずかと入り神聖を汚した。


「俺の髪にさわんじゃねぇーっ!」

俺はおっさんに頭突きするふりをした。