「雪女」
「……ん?」
授業中、こそっと五条が呼んだ。
横を向いてみると机に両腕をつけて、今にも伏せようとしている五条がいた。
「今日も放課後やんのか?」
「放課後……あぁ、五条は今日なにもないの?」
「おう」
放課後とは、勉強会のこと。
私はすっかり忘れてたや。
「じゃあ今日もやろうか」
「ん」
じゃあ寝る、そう言って伏せてしまった五条。
まだ1時間目ですけど。
もしかしていつも寝てたのか。
私は五条より前の席にしかなったことがなかったから、授業中の五条は知らない。
全く……。
私は鉛筆の先端についている、消しゴムの部分で頭をつつく。
「もう、そうやって寝てるから勉強分からないんだよ」
「だって眠い」
「まだ1時間目ですけどー」
「勉強は雪女に教わるからいいんだし」
きゅん。
……いやいや、今ときめくとこだった?
私もしかしてズレれるのかな。
五条を起こすのをやめ、内心空笑いする。
「先生ー、こいつらイチャついてて集中できませーん」
「してねええよ!!!!」
……こういうときだけ起き上がるのね。



