虎と雪女

「はーい、皆もう決まったか?」




先生が黒板の前に戻って皆に聞く。

私以外はもう決まっているようで「はーい」と元気の良い声があちらこちらから聞こえた。




「佐々原は大丈夫かー?」

「えーと....まあ」



なんの意図があってそんな大きな声で言ったのか。理解できない。



「なんだ、雪女まだ決まってないのか?」

「五条...なんで構ってくるの」

「う、うっせ!!」




いつでもどこでも構ってくるな。

短い髪をいじりながら呟くと焦った五条の声が聞こえ、今度は五条が構われるほうになってしまった。




「なんだー、虎。お前なんで焦ってんだ」

「なんでもねえよ!!」

「へー」

「なんだよ!!俺はただ雪女がなんの種目にするのかと.....っ!!」




立松が五条を煽る。

先生は楽しんでるようで止めない。なんだなんだ先生や。



「雪女ー、虎がなんの種目に出るのか聞きたがってるぞー!」

「立松ーーーーーっっ!!!」



ニヤニヤ顔のハゲの立松が私に向かって叫ぶ。



「はいはいはい。もう終わりにしてねー」



先生の言葉で立松は「はーい」と素直な返事をした。五条は反対に物凄く不機嫌な声で「ちっ」と舌打ちした。