虎と雪女




「ふう」





さすがにテレビゲームは目が疲れ、休憩という目的でトイレに行っていた。



五条はゲームに夢中で、私のほうを見て顔を赤くするようなことはなかった。




ただ、ゲームとはいえチームなので応援したりされたり。




それが嬉しかったのも事実。





トイレから出てリビングへ向かっていると、五条が出てきた。





「雪……さ、佐々原」





どうしても雪女というニックネームが定着しているので、苗字は呼び辛い様子。



私は手を拭いたハンカチをポケットに仕舞いながら笑った。





「ふふっ、雪女でいいのに」

「いやっ、でもそういうわけには」

「いいよ別に。無理して苗字じゃなくても」





今更感もあるしね。


そう付け足すと、五条は私の腕を引いてリビングとは逆の方向に足を進めた。





「どこ行くの?リビングあっちでしょ」

「あそこにはあいつらがいるからな。余計なちゃちゃ入れやがるし」





なにか話でもあるのだろうか。




冷房のきいていない廊下を歩きながらそう思った。