虎と雪女

姉の衝撃的な告白により、数秒固まっていた私だったが、はっと我に戻った。





すると、電話がルルルと鳴り響いている。





急いで椅子から立ち上がって電話を取った。






「もしもし、佐々原です」

〔あ、俺〕

「……前にも言ったけど、それじゃあオレオレ詐欺だよ」

〔分かってんならいいだろ〕

「そういう問題でもないんだけど。で、どうしたの?」





五条だ、久しぶりの五条だ。



電話越しで聞こえてくる五条の声に、微笑する。





〔今暇か?〕

「勉強してたけど」

〔なら暇だな〕




前にもこんなやり取りしたな。

でも前はもうちょっとどもってたな。





〔俺ん家分かるか?〕

「五条の?」




五条の家は確か……そうだ。

以前休んだときプリントとか届けに行ったことがある。




「覚えてるよ。行けばいいの?」

〔あぁ。なんなら澤田でも案内させるぞ?〕




澤田……美景ちゃん?美景ちゃんいるの?


五条の家に、美景ちゃんが?





〔? 雪女どうかしたか?〕

「美景ちゃん、いるの?」

〔え、あぁ〕

「……」

〔おい?〕





なんだろう。もやもやする。


この前は立松の家だったよね。なんで今日は五条の家なの?




「ふうん、美景ちゃんいるんだ」

〔だからそう言ってんだろ〕

「へえ」




美景ちゃんと仲良くしてたんだ?

なのに私に電話して。

へえ、ふうん。




〔ばっ、お前なにすんだよ!だ……らの……あぁ!?〕




急に受話器から怒鳴り声が聞こえたので、思わず耳から離してしまった。




前にもあったな。