虎と雪女

図書館はやはり涼しく、冷房がきいていた。



シーンと静まり返っている空間を、五条は嫌うかと思いきや、意外にも本を読み始めている。




「五条って本読む奴だっけ?」

「あいつはあんまり……。虎の読んでるもの見てみれば?面白いぜ」




こそこそと立松と会話をした後、美景ちゃんとどこかに行ってしまった。




私は立松に言われたのもあり、五条がなにを読んでいるのか気になった。




そろーり、と座っている五の背後にまわり、覗いてみる。





「…………五条、なにそれ」

「!?」




不意に声をかけられ、驚いたのか肩が少し、はねあがった。




「な、んだ。お前か」

「五条、それって……」

「んだよ」




それは意外にも、恋愛小説だった。



しかも、小学生が読むものではなく。



漢字がよく使われており、五条に読めるのかという小説だった。


それに恋愛もの……。





「読めるの?」

「……ちょっとだけ」

「なんで恋愛?」




五条の横に座りながら問う。