「……てな感じで」
「結構インパクトあるやつなんだな」
美景ちゃんは話し終えると、ちらっと私のほうを見た。
「そ、その……気を悪くしたらごめん」
「大丈夫だよ。でも五条ってちょっと良い奴なんだね。見直した」
私のことを悪く言っていた女の子に言い返すなんて。
言い過ぎたところもあったけど、あの五条がそこまでだったとは。
悪い奴だと思ったことはないけど。
意外だった。
「雪女ってさ、なんでそんなに…………やっぱいいや」
立松に呆れられたのは心外だ。
私はその花本さんを眺めていると、彼女はこっちに振り向いた。
まさか視線に気づいたのだろうか。
「おい、花本って女子がこっち見てるぞ」
「しかも雪ちゃんを……」
私は壁に身を預けながらぼんやりと眺める。
目付きを鋭くさせ、体をこっちのほうに向かせて歩いてきている姿が。
「え、あいつやばくね?」
立松は焦ったように美景ちゃんと私を交互に見た。



