(美景視点)
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私は夏休みが始まったということで浮かれていた。
なにをしようか、誰と遊ぼうか。
そんなことをワクワクと考えながら近くのスーパーでアイスを買った帰りのことだった。
「あれ?」
見知った人物が公園から出てくるのが見えた。
あのツンツン頭は……もしかして。
そう思って小走りに近づいてみると、やはり。
虎だった。
あいつなんでこんなとこにいるんだろ。
夏休み初日で、雪ちゃんにどう誘うべきか悩んでるかと思ったのに。
私はサンダルをぺたぺたと音をたてながら、どうせなら驚かせてやろうとそろーりそろーり後ろを追った。
「……なにやってだあいつ」
公園の角でこっこり様子を見てみると、なにかを探しているようだった。
なにを……あぁ、あれか。
目的のものが見つかったようで、しゃがみながら白いものを手にした。
野球ボールね。
公園でやってたけれど、誤って公園の柵を越えたんだな。
ふっふーん、チャンス!
私は抜き足差し足忍び足で10mまで寄った。
驚いた顔を笑いながらからかってやろう。
うしし、と笑っていると前から女の子が歩いてきた。