虎と雪女


「……まだ来てない」





更衣室に美景ちゃんらしき人物は見当たらず、水着を取り出して着替える。



スクール水着は紺色で、小さく縦書きで名前が刺繍されている。






「雪ちゃん!やっほー!!」

「わっ、美景ちゃん!」





後ろから両肩を引かれ、抱きつかれた。



それが美景ちゃんだということは、テンションの高い声で分かった。





「もう着替えたんだ、はやいね。私も着替えよーっと」





美景ちゃんはいるかの描かれたプールバックから水着を取り出した。





「ごめんね、遅くなっちやった」

「全然、私もさっき着いたもん」

「よかった!」

「ところで……どこから電話したの?」




ずっと疑問だったことを述べると、美景ちゃんは着替えながらこっちを向いた。


その顔はどことなく五条をからかうときの立松がしている表情に似ている。





「へーえ、雪ちゃん気になるの?」

「そんなんじゃないけど……」




私は日焼け止めを取り出して顔や足、手にまんべんなく塗る。



これ以上そばかすは……!という思いから顔を特に塗る。



お肌が荒れるかもしれないけど、そのときは保湿クリームでなんとかしよう……。



なんなら病院にも行くし。