虎と雪女

「いやー、昨日遊んでるときに立松と会ってさ。色々話してたから」




た、立松……。


やっぱりお前は口が軽いやつなんだな。
五条も大変な友達をもったね。





「雪ちゃん、改めて告白されたんだって?」

「……葵ちゃん」

「いやー、やるね!あの人気者のお調子者を惚れさせるなんて!」





葵ちゃん、そんな楽しそうに……。


パシパシと肩を叩かれてからかわれる。





「雪ちゃんフッたみたいだけど、実際のとこどうなの?」

「ど、どうって……別に」

「ほはー!頭良いとやっぱモテるのかなあ。私も勉強しないとねえ」

「……」




葵ちゃん、それは褒めてるの?


それとも「勉強さえできれば男からもモテるし勝ち組だよね」っていう皮肉を言ってるの?






まあ、葵ちゃんのことだから後者はないと思うんだけど。うん、そう思いたい。






「あっ、私これから友達と約束してるんだ。待ち合わせの時間に遅れちゃう!」

「えっ、大丈夫?」

「うん。最近友達になった男の人なんだけどね、優しいから大丈夫!」

「ならよかった。じゃあね!」

「ばいばい!」





葵ちゃんは学校とは反対のほうへ、スキップしそうな足取りで去って行った。



後ろから見てもこれまた可愛いなあ。ロリコンに捕まらなければいいけど。





そんなことを思いながら、てくてくと更衣室まで私も歩いた。