虎と雪女



[あ、もしもし?]

「えっ、美景ちゃん?」

[そうそう。ごめんね雪ちゃん、虎が照れちゃったみたいでさー]





そう、先程のオレオレ詐欺は五条。


実物の声と電話越しの声は少し違ったけど、分かった。




でもなんで五条から美景ちゃんに?





[雪ちゃん今暇?]

「暇……まあ、勉強してるけど」

[じゃあ暇だね!]





美景ちゃんの中では勉強が暇という解釈になるのか。



折角の夏休みなんだからさ、もっと勉強しようよ……。





[中々虎が話を切り出さないからさ]

「へ、へえ」




だからなんで五条の傍に見てちゃんが?


そこ誰の家!?





[今日学校でプールあるの知ってる?]





そんな私の心情などスルーして尋ねてきた。


プール?


そういえば、8月の半ばまで自由に学校のプールが使用できる(生徒のみ)ようになってるんだっけ。





[あとちょっとで午後からのプールが始まるんだけどさ、行かない?]

「……美景ちゃんと?」

[ううん。ウチと虎と立松と、雪ちゃん]

「立松もそこにいるの?」

[うん、いるよー]





ふ、ふうん。なんだ立松もいたのか。