虎と雪女



「まだ希望があるってことだよな」

「希望って……」

「諦めたらそこで試合終了だぜ!」

「……」





五条はそう言って鞄を持ち、「じゃあなー!」と満面の笑みで教室を出ていった。




またもや私は置き去りにされ、ぽつんと1人教室で立っていた。





「……普通好きな子を家まで送って行くもんじゃないの?」





今まで恋はしたことあったが、両想いはもちろん、告白なんていうのもされたことない。


だから、よく……こういう場面はどうすればいいか分からない。




明日からは夏休みだ。




五条と会うのも休み明けになるのだろう。




あいつはそのとき、私に告白をしたこと覚えているのだろうか。






「……忘れてたら本当に嫌いになるからね」







五条が忘れていたら、と考えるとしむすっとしてしまい、私も教室を出た。