「次雪ちゃんやれる?」
「うん、大丈夫」
前半戦が終わり、後半になろうとしている。
運動音痴なのは仕方ないが、私も出たい。
「虎、雪ちゃん出れるってさ」
「……ふーん」
全然興味ないですけど?オーラが醸し出ているが、これは……。
「冷静になる以外、選択肢がねえんだよな虎」
「黙れ立松」
あっはっはと五条の肩を叩く立松は、放課後にでもしばかれるだろう。
「足引っ張らないようにがんばる」
「がんはろー!」
美景ちゃんも汗だくになってるし、私も青春したい。
小学生で青春もどうかも思うけど。
「……雪女」
皆がわいわい盛り上がっている中で、五条がコソッと話しかけてきた。
「なに?」
「放課後また教室来いよ」
「あ、うん。行くよ」
勉強のことだよね……。
さっきのこともあってか、気まずくて行かないのかと思ったのか。
ピーと笛が鳴って、後半戦が始まった。