虎と雪女

「私と隼夫さん……あ、藤田先生ね。一目惚れだったのよ」



ほう、と女の顔をして語る先生の話を真面目に聞く。




「隼夫さんは顔もかっこよかったし、生徒からも先生からも信頼があって最初は尊敬してたわ。噂も良いものしかなかったし」




藤田先生って顔かっこいいか?



そこに疑問を持つ。




「でも本当は恥ずかしがりやで寂しん坊」




私のいるベッドにちょこんと座る先生。




「そんな隼夫さんにどんどん惚れていって告白したの」

「秋山先生からですか?」

「えぇ。そうしたらまさかのOKをもらえて嬉しかったわ」




そのことを思いだしているのか、ほわわーんとしたオーラが漂っている。



美人が可愛くなる瞬間。




「佐々原さんも好きな人ができたら諦めずに、アタックするのみよ!」

「そうですか」




好きな人、ねえ。



どうなんだか。




「佐々原さんは、実のところどうなの?」

「実のところ?」



なんの話だと尋ねれば、にんまりとした含み笑いをされた。