虎と雪女

「佐々原、他に痛いところはないか?」

「はい、大丈夫です」



藤田先生が優しく頭を撫でた後、保健室の秋山先生に「よろしくお願いします」と言って校庭に戻っていった。





「佐々原さん、寝てていいのよ?」

「はい」





起こしていた上半身を倒し、枕に頭を当てる。


そばに置かれている小さな棚にある帽子を何気なく眺める。




バスケやりたかったなあ。




皆とまだ遊びたかった。



明日から夏休みになるし、美景ちゃんたちと会える時間がめっきり減ってしまう。



五条だって家が遠いし、それこそ休み明けじゃないと………。って違うし!



休みまで会いたいとは思ってないし!




「もしかして暇なのかしら?」

「まあ……」

「ふふふ、なら先生とお話しましょう」




秋山先生は美人だ。


児童たちの間でも人気で、その人柄と容姿に憧れる女子がたくさんいる。




「じゃあ先生と藤田先生のことを聞かせてください」

「え、えぇー?先生と藤田先生はなにもないわよー?」

「友達の間でも有名ですよ。付き合ってるって」

「い、いやだわあ。もう。」




藤田先生と秋山先生はできてると噂がある。


これを面白がってこそこそと女子たちが話しているのをこの間聞いてしまった。




「んもう……。いいわよ」




いいんだ。