虎と雪女

「さようならー」「また明日ね!」 と、教室から出ていく児童が声をかけ合う。



私は昨日、五条と放課後勉強会をすると約束したのでランドセルを机に置いて参考書だけ持って立ち上がる。



向かった先は五条の席。



五条はノートと教科書を準備して用意はできているようだ。




あの五条が勉強ねえ……。



この光景を見たら先生は涙を流して喜ぶんじゃないかと思う。




五条の隣の席に座る。




「やろうか」

「おう」




周囲には誰もいなくなり、2人だけの空間。


特に恥ずかしいわけでもなく、緊張するわけでもなく。



いつも通り、五条と接しているつもりなのだが……。




「五条……、なんか怒ってる?」

「怒ってねえし」




の割には目を合わそうとしない。