虎と雪女

「で、山中くんはどちらかというと……?なんて答えたの?」

「雪女と虎は仲が悪いってわけじゃないだろ。お前はどうか知らないけど、虎は……まあ、一応アレだし」




アレ?



「そ、そしたら今度は雪女の球技大会の種目を聞いてきてさ」



山中くんの顔がちょっと険しくなった。

なにか思うことがあったのか。


私には山中くんの今の心境が分からないけど、美景ちゃんは「もしかして……」と呟いた。



「で、山中はバスケって答えたんだ」

「まあ、うん」



しょぼーん、と落ち込む山中くんに対して美景ちゃんは楽しそうだ。



「なんか楽しくなってきたね!」

「美景ちゃん……?」



顔がイキイキしてる。


美景ちゃんは私の手をガシリと掴んで興奮気味に「頑張ろうね!」と言った。


私は若干引き腰になりながらも、うんと返した。



「よくねえよ!!虎にバレたらどうするんだよ、絶対俺殺される!!」

「大丈夫だって!」

「なんでそこに五条が出てくるの」



うわああああああ、と叫んでいる山中くんに通りすがりの児童たちが振り返る。



「この前だって…この前だってええええ!」

「ちょ、山中くん!落ち着いて!!」




さすがに恥ずかしくなり、教室へ戻った。