虎と雪女

「もう最悪!髪の毛ぐちゃぐちゃ!!」




廊下を掃除している時に、同じ班の美景ちゃんが櫛で髪を整えながら文句を言う。




「でも頑張ってたから仕方ないよ」

「雪ちゃんは本当に運動できなかったね…」

「まあ、うん」




そりゃあもう…。


塵取りで中山くんが掃くゴミを取る。



「そういえば雪女さ」



突然、中山くんが話しかけた。


私がしゃがみながらゴミを取っていたせいか、顔を上げないといけない。


それを察したのか、わざわざ私の横に座ってくれた。


美景ちゃんは何事かと髪をときながらこちらの話に耳を傾ける。



「隣のクラスの、山田って知ってるか?」

「2組の山田?」

「うん」



2組の山田、聞いたことある……てか知ってる。

よく廊下とかで見かけるし、確か1、2年生のとき同じクラスだった。




「あ、その人ウチも知ってる。かっこいいって噂のでしょ」




五条とはまた違ったかっこよさ。


やんちゃボーイの五条と子役でいそうな落ち着いた山田。




「知ってるけど、その山田がどうかした?」

「今日ちょっと、気になること言われてさ」



気になること?


私と美景ちゃんは顔を見合わせて首を傾げた。