虎と雪女



「私も好きだよ」

「し、知ってるし」

「ふふっ」





ぎゅーっと、抱きしめる。






「じゃ、じゃあ俺ら両想いだよな」

「う、うん」






両想い両想い。


シーンとした沈黙が流れるが、その後すぐに笑った。





「あー、明日立松にまたからかわれんだろうな」





そう言う割りには嬉しそうに顔を緩ませてる。







「私も美影ちゃんに言わないと」

「あいつら付き合ってんのかなあ」

「まさかねー」





またもや沈黙が流れる。


がしかし、声を上げて笑う。





「そ、それじゃあ彼女よろしくな!」





白い歯を見せて、頬を赤くする五条に、私も微笑む。






「こちらこそ、よろしく彼氏」






ぎこちなく、握手なんかしてみる。









セミの鳴き声は、聞こえなかった。