虎と雪女

「ほら、佐々原って可愛いだろ?性格も大人っぽいし勉強できるみたいだし」





HRまで20分もある。


立松の語る佐々原を、眉間にしわをよせながら聞いてやる。





「学年で断トツモテる女子だぜ?」

「そ、んなにか?」

「お前本当に知らないのか?」





なすびみたいな顔をしてバカにするかのごとく、笑った立松。



その話を聞いて若干考え込む。






競争率高すぎじゃね?


確かに可愛い可愛いと思ってたけど、そこまで人気があったとは。


てことは、このクラスの大半が「佐々原と同じクラスだ」やら「仲良くなろう」とか思ってんのか?





そう考えると、ムカムカしてきた。






あいつと仲良くなるのは俺だけでいい。


全部全部俺だけでいい。






ちっぽけな独占欲が、頭と心を支配した。