虎と雪女

「に、睨むなよ」

「お前佐々原のこと好きなのか?」

「は、はあ!?なわけないだろ!」





友達と好きな子を取り合いたくない。



だけどもし、そうなった場合は受けて立つ。





「ぶっちゃけ佐々原は可愛いと思うけどあんまタイプじゃない」

「あ?」





佐々原は可愛い、そう言った立松に心の底から声を出した。



佐々原が可愛いなんて、そんなのずっと前から知ってる。



けど他の男にも可愛いと思われているとなると、そいつらを全員ぶちのめしたくなる。




あいつを可愛いと思うのは俺だけでいい。




これを独占欲ということを、兄から聞いた。






「だって佐々原有名じゃん。なんで虎知らないんだよ、あんなにモテるのに」

「…女子に興味ねえよ」






佐々原以外の女子を、可愛いと思った試しがない。


一般的に可愛いと思うことはあっても、佐々原と比べるとずっと劣る。




佐々原と比べることすら間違いなのかもしれねえけど。





椅子の背もたれに寄りかかりながら、再度語る立松の話に耳を傾ける。