虎と雪女

その子は俺よりもちょっとだけ身長が高かった。



肩より長い黒髪に、雪のように白い肌。

ぱちっとした瞳は、意思の強さを感じさせた。



ピンク色のマフラーがとても似合っている。





「どうかしたの?」





もう一度尋ねた女の子に、はっとする。



そして、羞恥により顔が赤くなった。





女の子に泣いているところを見られたということと、至近距離に顔があることも理由だろう。




俺はズビッと鼻水をすすりながら「なんでもない」と答えた。





「でも泣いてる」

「泣いてない」

「泣いてる」

「泣いてない!!」




表情を変えずに泣いてると連呼する子に、むっとなった。



女の子は去ることなく、まだ居続ける。




俺はこの場から立ち去りたかったが、ここで退くと負けた気がしてできなかった。