あたし……京に抱きしめられてる!?



訳がわからなくて、京の腕の中でもテンパってると、



「何て言えばいいかわかんねーけどさ、あんまへこむなよ」



「え…………?」



「さっきから全然笑ってねーから……最近、お前の笑った顔みてない」



「あっ……えっと……」



思考回路が停止してうまくしゃべれない……



「前みたいに笑ってろよ。お前、笑えば少しは可愛いから」



「なっ……嘘つき!いつもブスブス言ってるくせに!……てか、いつまで抱きしめてんのよ!」



ほんとはめちゃくちゃ嬉しいけど……心臓の音が京に聞こえそう。


しかも……あたしの小さい体は、京の腕のなかにすっぽりはまってる。


「お前、小さすぎっ……てか、細すぎっ……」



「わ、笑うな!早く話してよ!」


「えー」


「はか!離してって!」


……とか言って。離れようと思えばはなれられるけど、まだここにいたい……


離さないで……


ずっと、このままでいたい……



「よし、そろそろ行くか」



京の腕が離れて、なんだか寂しくなる。


もう少し……あのままでいたかったな。


まぁ……どうせ明日会えるんだけどね。