キミだけ。






…………尚には、もう全部お見通しだったんだ。あたしが誰を好きかも、いつから好きだったのかも……全部。


それなのに、あたしを責めないで、自分だけ傷ついてたんだ……






「ぢゃあ、また明日な」


「尚、ごめんね……」



あたしがそう言うと、尚は「あーもう!」と言いながら、サラサラの前髪をクシャッとした。


「俺、正直まだくるみのこと好きだから。くるみのこんな顔見たくない」


「ごめっ……わかった」


「あいつに泣かされたら、いつでも俺のとこ戻ってこいよ?」


「泣かないもん……」


「ははっ……そっか、残念」



尚、きっと。今も、ほんとは我慢してるんだよね?

あたしに心配かけないために……



「尚、今までありがと」


「いーえ。俺もたのしかったし」


「……やっぱり、尚は優しいね」


「そんなこと言われたら、あいつに渡したくなくなるから言わないで」


尚…………



なんで、そんなに優しいの……?



あたしは、こんなに最低な女なのに……