キミだけ。







「くるみー」



放課後になって、尚があたしを呼ぶ。



「あっ、今行く!」



鞄を肩にかけ、尚の元へ向かおうとしたとき。


京と目があった。


何か言おうとしたけど、言葉が見つからず戸惑ってると。



「明日な……」



「う、ん……」



京は、あたしと尚が教室から出ていく姿をずっと見てた。



それも、すごく悲しそうな目で。



まるで、"行かないでっ…"て言うような、そんな悲しそうな目。




最近、京はいつもあの顔を見せる。



京のあんな顔、みたくないいよ……


何か悩んでるなら、あたしに話してよ……



今は、京の笑顔を思いだそうとしても、全く思い出せない。








お願いだから、笑って……