ヤダ…………


お願いだからその顔、やめて……

まるで捨てられた子犬のような、悲しい目。


そんな顔されたら、尚と付き合ったのが間違ってたみたいじゃん……



「坂、下……?」


「ほんとに付き合ってんの?」


いつもより小さな声で、上目遣いで聞いてくる。


「う、ん……」



「誰と……?」


「尚、だけど……」




「………。」



なに…意味分かんない。あたしと尚が付き合ってんのが嫌みたいに。


「坂下?どーしたの?」


「別に。なんでもねーよ」



そう言って、坂下は教室から出ていってしまった。


それと同時に尚が教室に入ってきて、あたしに気がつくと、少し頬を赤くしながらこっちに向かってきた。



「おはよ」


昨日のこともあって、尚は少し照れたような顔をする。



「おはよ……」


「さっき、坂下となんか話してるっぽかったけど…なんかあった?」


え…あれ見られてたの?


「あっ、ううん。普通にしゃべってただけ!」


「ふーん…」


尚には……言えないよ。あの話には尚のことも一応関係してるし……