そんな時、私のケータイが鳴った。
あっ、尚からメール。……じゃなくて電話!?
私は戸惑いながらも電話に出た。
「尚?どうしたの?急に電話してくるなんて…」
「ごめん…迷惑だった?」
「いや、全然そんなことないけど。ちょっと驚いただけ」
「よかった。なんとなく、くるみの声が聞きたくなったんだ……」
あたしの、声が?
なんで……
「まだ、さっきまでの出来事が嘘みたいで……夢だったらどうしようって思ったら、急に声が聞きたくなった」
なんだ……尚も一緒なんだ。
あたしと同じこと考えてる。
「あたしも、夢みたいとか思ってるよ……尚の彼女になれるなんて、嘘みたいって、思ってるよ」
「そっか。俺ら、同じこと考えてたんだな」
「ははっ。そうだね」
これは、現実。決して夢なんかじゃない。私は、今日から尚の彼女になったんだ……
「じゃあ、くるみ……また明日な。おやすみ」
「うん。おやすみ」
電話が終ると、嬉しさのあまりになかなか眠れなかった。
ここ最近、尚のせいで寝不足だ。
そんなことを考えているうちに、私は眠りについた。