キミだけ。




この茶髪の人。

確か……


「二谷君……?」

曖昧な感じで聞いてみると、


「ははっ。尚でいいよ。」

そう言って笑った。

「俺さー、人前で歌ったりすんのとか苦手なんだよねー。」


「あっ!それあたしも。友達の前なら大丈夫なんだけど……」


よかった。以外と話合うかも……


「えー。でもさっき歌ってた時めちゃくちゃうまかったよ?」


「やっやめてよ。お世辞いわないで!」


正直、誉められんの嫌い……


「あ……顔赤くなってる。」


だからやめてって言ったのに……