4時間目の社会の授業。
もちろん、私が真面目に授業を受けるはずがなく、真っ白なノートをただ見つめてた。
いきなり、視界に小さなものが写りこんできた。
消しゴム…?
誰のだろ?坂下…ではないな。
左手の近くに消しゴムが置いてあるし。
…………後ろか!!
頭の弱い私は長い時間考えてやっと気づいた。
後ろ以外にどこから転がってくるんだよ。
パッと後ろを向くと、上地秋也が魚のように口をパクパクさせてた。
あー、ずっと私に訴えかけてたのに気づいてもらえなかったのか……
両手を合わせて、口パクでごめんと謝って消しゴムを返した。


