ガラッ。
よかった。セーフかな?
隣は……まだ来てないや。
ホッと安心してると、
「くるみー!今日遅かったね、どうしたの?」
「寝坊した…」
「やっぱりねー。くるみのことだからそんなことだと思ってたよ!」
ひどい…
何年も親友を続けてきたがやっぱりひどい…
そんなことを思いながら、私は昨日のことを思い出した。
「そういえばみっちゃん!昨日みんなが帰った後、あたし坂下と二人きりになったんだけど、その時にっ……」
「俺がどうかした?」
背後から、昨日聞いたばかりの、あの憎たらしい声が聞こえてきた。
みっちゃんも含めた私以外の女子が目をハートにさせてこっちを見てる。
バレたらヤバい……
私のなかの全部がそう言った。
「えっ?べっ別になんでもないよ?」
「そぉ。」
あきらかに何かに気づいているような表情で、そんなことを言いながら自分の席に座る坂下は、やっぱりかっこよくて…
こんなにイケメンだと、あんなに性格が悪くてもモテるのかぁ…
神様ってすっごい意地悪だよね…。
心からそう思った。