そのままだんまりを決め込むと
那都君は、私が何も喋る気が無いと
理解したのか、ばつが悪そうに
人差し指を顔の前でいじりながら
ぶつぶつ話し出した。
「だってさ、
夏だよ?旅行、行きたいじゃん?
でもさ。
俺らは学生なわけです、よ。」
「....」
存外にだから?という、オーラをだす。
「....だから、えみり先輩が...」
「....」
「ダメだって言うから....
玄斗に頼んだんだ。」
ちらりとくろをみると
こくんと頷いた。
嘘ではないらしいし、
そんなことだろうと検討もついていた。
「保護者、玄斗に頼んだんだ。」
「なんて?」
「おねーさんと旅行行きたくない?
俺らも一緒の方がおねーさんも
喜ぶって。
...そしたら。」
「そしたら?」
「最初は出かけたくないって
言ってたけど。
おねーさんは玄斗と旅行行きたいと
思うよ、デートにつれてけない
彼氏なんて...嫌われるよ?って
言いました!
すみません!」
ほら。
絶対そうだと、思ったのだ。
くろは泣きそうな顔でこちらをみる。
そういうとこ、純粋に信じちゃう
大人なんだから、
どうして無駄に不安にするのか。
おばさんは高校生の
浅はかな思考に大きなため息を吐いたのだった。


