ぴんぽーん
くろがたたたと小走りに
インターホンをチェックして
下の扉を開けたのが数分前。
ぴんぽんぴんぽんぴんぽーん!
そして、今。
那都君は合カギを実は持っているのにも関わらず連打でベルを鳴らし、
私の神経を逆撫でして、
意気揚々とリビングにやってきたのだった。
「へい。」
「ちょっとそこに座んなさい。」
「はい。」
いや、くろじゃなくて。
正座して私の指差した所にぴーんと
背筋を伸ばして座るくろは
かわいい。
チワワよりもトイプードルよりも
可愛い。
でも違う。
キッチンから優雅にココアを持ってきている男の子に座ってもらいたかったのだ。
「那都君。」
「....はい。」
「説明して、これのこと。」
チラシを顔の前に突きつける。
すると那都君は
口を尖らせて弁解を始めた。


