ブラックレター~高嶺の花に恋します~





書いてくれてる子に非常に失礼だろ、それ。


それにもしこれが本当に呪いの手紙だったとしたら、俺はこの数ヵ月で不幸になっているはずである。

仕事だって増えないはず。


だけど残念なことに、俺は今最高に調子がいい。

仕事も、俺自身も。


それは神崎くんもよく知っているはずだ。

それなのによく呪いの手紙だなんて思えたな。




「えー違うんですかー?」


「なんで不満そうなんだよ。俺が呪われてたほうがよかった?」




明らかに不満そうな声を上げ口を尖らせる神崎くん。そんな態度にギッと睨みをきかせれば、滅相もございません!と慌てて首を横に振る彼。

その顔は若干青ざめているが気にしない。


本当、扱いやすいというかなんというか。