「…ははっ!」
あまりにも興味津々な彼の表情にフッと気が抜けて出てしまった笑い声。
その笑いに神崎くんが驚いたように目を見開いた。
いやいやまさか。
あれがそんな噂の対象になっていたなんて知らなかった。
人は少しでも他と違うとなんでも噂にしたがるもんなんだな。
突然の笑いに何か意味があるのかとゴクリと息を呑んだ神崎くんには悪いが、期待通りの答えは返せない。
「そんなわけないだろ。もしそうだったら、俺の調子は今ごろ最悪なはずだよ」
呪いの手紙なんて。
確かに封筒は黒だし、普通の手紙より届く頻度は高いけど。
それで呪いなんて安直すぎるだろう。
というかちゃんと送り主の名前も住所も書いてあるんだから。


