(可愛いほうが、いいのかなぁ…)
確かにそっちのほうが女の子らしい気がする。
手紙というのはそういうのを全面に出した方がいいのだろうか。
ただこの黒い封筒を見たとき、何となく彼のイメージに合う気がしていいと思ったのだ。
彼の立ち姿に似ている気がして。
でも絢子いわくダメらしい。
こういうのは可愛くか女らしいほうが好感度が高いとか。
顔が見えないから余計そうなのだと絢子は言う。
そうなのか。
だが新しいものを買いに行く元気のない私はこれで書くしかない。
(…いいと思ったんだけどなぁ…)
そう思って少ししょんぼりとしたときだった。
「……はっ!」
ぐったりと項垂れていた絢子が突然ガバリと起き上がったのは。


