ブラックレター~高嶺の花に恋します~





「…え?なんか問題ある?」




何か変なところがあるだろうかと首をかしげれば、絢子はバンッと大きく机を叩いて眉をつり上げた。

それはもう鬼のような形相で。


無意識にひっと息を呑む。




「いやいや!問題大有りだから!好きな人に手紙書くのになんで白い便箋と黒の封筒なわけ!?あんた呪いの手紙でも書いてんの!?」




そう言ってダンッともう一度机を叩く絢子。

その反動で机に置いてあったペンがカーペットの上に落ちた。


絢子の視線の先にあるレターセット。

それは白い無地の便箋と、真っ黒の封筒のいたってシンプルなセット。


それをもう一度睨み付けた後、絢子は地団駄を踏みそうな勢いで今度は私を睨む。

ギッとこちらを睨む彼女の顔は綺麗がゆえに怖い。