ブラックレター~高嶺の花に恋します~





それが、怖くてたまらない。

この想いを否定されたらと思うと怖くて仕方ないのだ。


震える体。

それを押さえるように膝を抱え、絢子の答えを待つ弱虫な私。




「…ないよ。大丈夫」




だから絢子がくれたその優しい声に泣きそうになってしまった。

少しだけゆらゆらと視界が揺れる。




「…うん」




よしよしと頭を撫でてくれる絢子に、私は静かに頷くことしか出来ない。


どれくらいそうしていただろうか。

暫くの間そっと隣に寄り添ってくれた絢子。


絢子は私に嘘を吐かないから大丈夫。

私は必死に自分にそう言い聞かせてゆっくりと顔を上げる。

少しだけ目が潤んでいたことは見なかったことにしてほしい。


頑張れ、と絢子に小さく背中を叩かれ私は再びペンを握った。