ブラックレター~高嶺の花に恋します~





(本当、バカみたいだ…)




何をそんなに悩んでいるんだろう。

私って恋をするとこんなふうになるんだっけ?

恋ってこんなに相手のことで頭がいっぱいになるものなんだっけ?


久しぶりすぎて、わからないことだらけだ。


そんな自分に盛大な溜め息を吐きながら、私は再びクローゼットと向き合うのだった。




「お、終わりました…」




結局、お洋服を選びメイクを終えたのはあれら一時間半後のことで。

もうすでに疲れている感じがする。


そんな思いでリビングに降りてみれば、見えたのは優雅にお茶を楽しんでいる絢子とお母さんの姿。

なんでそんなに寛いでるの、二人とも。




「おつかれー!お、意外とナチュラルだね。もっと可愛い系でくるかと思ってた 」