ブラックレター~高嶺の花に恋します~





ついにうじうじと下を向いた私に、絢子は焦れったそうに言葉を続けた。




「とりあえずもうそれはいいから!それよりもう一つ情報があるの!」




聞いて聞いて!と珍しく興奮したように私の手を揺する絢子。

そんな絢子に若干引きながら首をかしげる私。




「な、なに…?」


「これ見て!」




そう言って絢子がウキウキと鞄から取り出したのは、一冊の雑誌。

よく見るとそれは映画雑誌のようで。


なんでこれ?と再び首をかしげて絢子を見れば、にんまりと楽しそうに笑った絢子と目が合った。


その笑みに私の直感が何かを訴える。

だが、それがいいことなのか悪いことなのかわからない。


そんな私に綺麗な笑みを浮かべたまま、彼女はあるページを開くとその一角を指差した。