なんとか想いを語った私に絢子はふぅと息を吐く。


やっぱりすべては理解できなかったみたいだけど、私がこうなったことだけは納得してくれたみたい。

それだけで十分だ。

私の気持ちもふわりと楽になる。


すべてをわかってほしいわけじゃない。


だってこの気持ちは私にだってすべてがわからないのだから。


ただこの想いが真実なのだと。

それだけわかってもらえればそれでいい。


だけどその時、ふっと絢子の顔に呆れたような笑みが浮かんだ。

その表情にドキリと嫌な音をたてる心臓。


その笑みがどういう意味なのか。

わからなくなった私は、ぼそりと呟いた。




「…引いた?」


「は?」




呟いた私の言葉に絢子の口から間の抜けた声が漏れる。