ブラックレター~高嶺の花に恋します~





そう言って宮部を一発どついてから、奴から距離をとった。

関西人にバカはダメでしょー、とかなんとか文句を言っているがそんなものは無視だ無視。


そんなことは絶対にないと思うが、もし万が一どうしても誰かにブラックレターの中身を見せなくちゃならないときが来たとして。

それでも俺が宮部にこの手紙を見せることはないだろう。


誰よりも見られたくない男だ、こいつは。

絶対にからかわれるに決まってる。


にやにやした宮部の顔が簡単に想像できて、俺の眉間には思わず深いしわが刻まれた。




「やっぱり宮部さんも気になりますよね!ブラックレターの中身!」


「神崎くーん!やっぱ君も気になってる?だよねー!」


「ですよねー!」