ブラックレター~高嶺の花に恋します~





でもやっぱりこれは特別だ。




「えー!何でですか!?」




絶対に見せないという姿勢を崩さない俺に、彼は不服そうに反論を口にする。

そして俺が読み出すまでその場で待とうとする神崎。


だが、そうはさせない。


俺は今すぐこの手紙を読みたいのだ。

つまり早く一人にしてほしい。


神崎には悪いが無駄な時間は過ごしたくない。

出来るなら早く帰りたいとすら考えている俺。


頼むから早く出ていってくれ。

そう思いながら俺はヒラヒラと手を振り神崎をドアの方へ促そうとした。


その瞬間。




「よー!相沢お疲れ!ブラックレター届いたんだって?」




そう気持ち悪いくらい機嫌のいい声で勢いよく部屋に入ってきたのは、宮部という俺のよく知る男だった。