ブラックレター~高嶺の花に恋します~





一年ともあればさすがに途中で諦めるだろうと思っていたのだが、どうやら考えが甘かったようで。

彼は今もなお本当は呪いの手紙なのではないかと思っているらしく、この中身を見るチャンスを窺っているのだ。


ちなみに事務所内ではストーカー予備軍なのではと噂になっている。



(…変な噂が付き纏うよなぁ…)




何度も言うようだが、これは決して呪いの手紙ではない。

それなら俺は既に病院送りになっているだろう。だって一年だぞ。


それにこれを書いている子にストーカーになるような勇気はないと思う。


多分彼女は俺と会うことの出来るイベントにすら来たことはないだろう。

そういう場所で貰う贈り物のなかにこの封筒と文字を見掛けたことはない。