ブラックレター~高嶺の花に恋します~





それくらい、俺はある意味彼女にとって難しいであろう質問を投げ掛けた。


それは俺が一年待っていた質問。


返事が来ないとは思わなかったんだ。

彼女はいつも真っ直ぐだったから、必ず返事は来ると思っていた。


この一年間変わることなく届いた彼女からの手紙。

そして変わることのなかった"あの"言葉。


最初に予想していたとおり、俺がどれだけ仕事をこなしても、連ドラの主演をつとめても変わることのなかったそれ。


そんな彼女の他の言葉を聞きたいと思い始めたのはいつのことだっただろう。

そう最近のことではなかった気がするけれど。

でもあの言葉に救われていたのもまた事実だったから。


だから、一年待っていたのだ。