ブラックレター~高嶺の花に恋します~





本当に反省しているのか?こいつ。

というか五月蝿い。耳がキーンとする。


何でそんなに元気なんだと、少し疲れ気味の俺は眉を寄せ肩を落とした。


そして再び溜め息が零れ落ちる。

これが若さというやつなのか。


相変わらずやたらと大きな声で俺を呼ぶ彼に、俺は眉を寄せながらも顔を向けた。




「なに、神崎。どうしたの、そんなに慌てて」




そういえば収録の途中からその姿が見えなくなっていたなと思い出す。

何かあったのかと思っていたが、なにやらその内容を伝えに来たらしい。

そんなに一大事だったのだろうか。


どうやら彼は大急ぎで走ってきたようで。

珍しく息を切らしながらこちらを向く彼に声を掛ける。


その顔は真剣そのものだ。