嘘にならない言葉を書くのは。




「やっぱ書けないんでしょ?どこが好き、とか」


「それは、うん。今も書けない」




一年前と変わらず、私は絶対にそれを書けないのだ。

いや、一年前よりももっと書けなくなっているような気がする。


あの人を好きでいる時間が長く増えていくたび、私は彼のどんなところが好きなのかわからなくなっていった。


いいところはたくさん見てきたはずなのに。

それなのにどこが好きか答えられない。


自分でもわからないのだ。

どうして彼が好きなのか。


ただ体の奥の方で魂が彼を好きだと叫ぶだけ。

心の奥の奥の言葉が届かない場所があの人が欲しいと訴えているだけ。


それは湧きだしては消えることなく増え続けていく想い。