そんな絢子の姿を見るのは久しぶりだ。
というかここまで自分の意見を言い切ることも随分と久しぶりな気がした。
いつもなら臆病風を吹かせて言いたいことなど言えないから。
そしていつも後から後悔してしまう。
今回はそうしたくなかった。
そんな私の臆病さを吹き飛ばしてしまうくらい、この手紙には何か不思議な力があるらしい。
私と絢子の瞳が真っ直ぐ向き合う。
彼女の瞳に映る私は久しぶりにしっかりした目をしている気がした。
「…まぁ、あんたがそこまで言うなら…」
まだまだ私の言うことには納得できていないであろう絢子。
それでもあんたが決めたことなら、と最終的には私の言うことを否定しないでいてくれる彼女。


